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ON AIR BLOG / 2019.03.13 update

今日のお話は「ながらスマホ」。毎日新聞 編集編成担当補佐、前田浩智さんに解説していただきました。

Q:運転中の「ながらスマホ」に対する罰則が厳しくなるそうですね。
A:運転中の携帯電話の使用は15年前から、道路交通法という法律で禁止されています。具体的には、通話をすることと、画像をじっと見ることです。でも、運転中のスマホや携帯電話の操作が原因の交通事故は今も毎日、起きています。昨年1年間では2790件に上りました。この10年間でおよそ2倍になっています。

Q:減るどころか増えているわけですね。
A:そうなんです。死亡事故は42件、重傷事故は176件発生しました。3年前になりますが、スマホのゲームをしながら運転していたトラックに小学生がはねられ死亡するという痛ましい事故もありました。スマホを持つ生活が当たり前になっているとはいえ、けっこう深刻な状況です。

Q:そこで罰則を厳しくするのですね。
A:まず、反則金が上がります。スピード違反の時をイメージしてもらえればいいと思いますが、普通車の場合で現在の6000円が3倍の1万8000円に、大型車の場合は7000円が2万5000円に引き上げられる予定です。年間およそ90万人以上の人が検挙されているそうですから、信号待ちの時にちょっとメールやLINEを見ただけで1万8000円という事態もあり得ます。

Q:事故を起こした場合も厳しくなるそうですね。
A:刑事処分も厳しくなります。ながら運転の罰則は、現在は「5万円以下の罰金」だけですが、新たに懲役刑を設け、「6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金」に引き上げられます。交通事故を起こした場合は、現在の「3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金」から、「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」に厳しくなります。

Q:罰則を強化するのはしょうがないとしても、運転中はスマホを絶対に触らないという意識をどうやって高めていくかが大事ではないでしょうか。
A:一番やっかいだけど、一番大事なことですよね。皆さん自動車学校などで習ったことがあると思いますけど、時速40キロで走る車の場合、1秒間に約11メートルも進むそうです。時速60キロだと約17メートルです。1秒って、スマホの画面を見たら、すぐですよね。街の中はだいたい40キロ制限ですが、2秒も目を離したら、車は22メートルも進んでいる。交通事故は起こるべくして起きてしまうわけです。実際、スマホを使用中の事故は、直線道路で先行する車に追突するケースが多いそうです。

Q:厳罰化はいつごろから始まりますか。
A:道交法の改正案は先週、閣議決定され、国会に提出されました。今国会で成立し、年内には実施される見通しです。

自分だけは大丈夫と思っちゃいけないですね。スマホは便利だけれど、「乗ったら触らない」、今運転しながらラジオを聞いている皆さんも改めて心がけてほしいと思います。

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