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ON AIR BLOG / 2020.03.04 update
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毎日新聞専門編集委員、青野由利さんに「コロナウイルス」について解説していただきました。

Q:毎日のように感染者が増え続けてますね。特に、北海道では全道に感染が広がっているけど、どうしてでしょう?
A:それについては、今週の月曜日に専門家会議が新たな分析結果を出しました。それによると、10代、20代、30代の、若い世代の人が、感染拡大のひとつの要因になっている可能性が濃厚だということ。

Q:どういうことでしょう?
A:まず、これまでの感染者の分析からわかったことは、全体の80%の人は、周囲の人に感染させていないということ。残りの2割の人の中に、1人が多数の人に感染させるケースがあることがわかってきた。たとえば屋形船の集団感染では1人から10数人に感染が広がったし、スポーツジムでも1人から9人に感染が広がっていた。こういう集団感染をクラスターと呼びますが、クラスターが生じやすいのは、ライブハウスとか、ジムとか、立食パーティとか。つまり、閉鎖空間で、たくさんの人が、一定時間以上、至近距離で関わるような場所。そして、あるクラスターの感染者が、また別の場所で新たなクラスターを作る、というクラスターの連鎖が生じると、どんどん感染者が増えていってしまう。

Q:でも、今、わかっている感染者の多くは、中高年の人や高齢者ですよね?
A:それはなぜかといえば、若い世代はこのウイルスに感染しても、ほとんど症状がでなかったり、軽症だったりするから、ひっかからない。 でも、専門家会議が北海道の感染状況を分析した結果、実は、若者を中心とする「見えないクラスター」が都市部にあって、そこから北海道全土に感染が 広がっているとしか思えない、というのです。

Q:まるでミステリー。
A:若い世代が、都市部で集って感染クラスターが作られ、感染者が気づかないまま、地方に移動して、そこで中高年に感染させる。中高年は症状が重くなりやすいので、そこで感染が目に見えるようになった、と考えられています。

Q:若者が「自分は感染しても大丈夫」と思っていると、実はその先に高齢者や持病のある人がいて、重症化させてしまう?
A:そう。なので、若い世代の人も、さっき言った、「感染を広げやすい場所」、つまり、閉鎖空間で、たくさんの人が、一定時間以上、関わるような場所を、
ここしばらくは、なるべく避けてほしいと専門家会議が呼びかけています。そうしないと、クラスターがクラスターを生んで、感染爆発が起きて、医療が崩壊していまうから。

引き続きの手洗い、うがい。体調がいつもと違うな?と感じたら無理に行動しない。基本的なことがこれからもやっぱり重要になっていきますね。

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