ON AIR BLOG

毎日新聞 PRESENTS NEWS CONNECTION

ON AIR BLOG / 2020.03.18 update
null
コロナウイルスの感染症対策の一環となっている学校の「一斉休校」が続いています。子どもたちにもさまざまな影響が出ています。今日は毎日新聞夕刊編集部の田村彰子さんに解説していただきました。

Q:親御さんなんかは、どのような心配をされてますか?
A:認定NPO法人の調査では、困りごとの内容を複数回答で聞くと「子どもの運動不足」が最も多く「友達と会えないストレス」、「学習の遅れ」も目立ったそうです。

Q:なるほどという内容ばかりですね。
A:休校により「とても困っている」「困っている」と答えたのは7割弱です。ひとり親家庭を見ると、子どもだけで長時間留守番する割合が多かった。勤務先が在宅での仕事を認めないとの声があったそうです。あと、気になるのは親の収入の格差が子どもにダイレクトにこないかということ。年収の低い世帯ほど学童保育などの施設や教材、オンライン学習サービスの利用率が低いという結果が出ています。やってみてつくづく思いますが、子どもの学習環境を自宅で整えるのは、本当に大変です。動画見ててよ、っていっても、誰かいなければすぐ違うものを見たりしますからね。

Q:そんな中でお子さんを預かり続けている学童保育や保育所は大変ですね。
A:学童保育関係者で作る日本学童保育学会は、緊急声明を公表しています。子ども同士が密接に関わる場所のため学校以上に感染リスクが高く、国や自治体に感染予防に必要な物資の支給などを求めているのです。具体的には・・・、

▽マスクや消毒液などの物資の支給
▽学校や公共施設の有効活用と学校教職員による協力体制の推進
▽代替職員人件費などの増加を踏まえた国の交付金の見直し

――などを国と自治体に求めています。子どもの小学校などでは、校庭は使えないのですよ。

Q:ではお子さんたちはずっと部屋にいるんですか?
A:そうなんですよね 。隣接する児童館には行けるようなのですが、基本的に室内です。先ほどの「子どもの運動不足」は、確かに相当気になる話題ではありますね。

Q:外遊びはいいとされていますよね。
A:そうですね。当初は「休校中に公園で遊んでいいのか」などと、学校や教育委員会に寄せられました。それを受けて、文部科学省は「児童生徒の健康維持のために屋外で適度な運動をしたり散歩をしたりすること等について妨げるものではない」などとの見解を示しています。

Q:その際、気をつけたいのはどういうことでしょう。
A:屋外でも道具を介して感染する恐れがあります。遊んだら、しっかり手洗いすることが大切です。友達の家に遊びに行く機会もあると思います。集まる人の数に比例して、感染する危険性も高まります。できるだけ少人数で集まって、部屋の換気を心がけてほしいです。

Q:どんな場所は避けた方がいいのでしょう。
A:カラオケなど、風通しが悪く、人と人とが至近距離で会話するような場所ですね。体調が少しでもすぐれない場合は、積極的に休みを取ることも大切です。

Q:子ども自身が感染する危険性はあるんでしょうか。
A:中国の患者報告によると、19歳までの子どもは全体の2%しかいません。ただし、子どもは軽症で済み、表面化しにくい可能性もあるため、油断は禁物ですね。また「のどが痛いだけ」「せきだけ」といった軽い症状でも、周囲に感染を広げてしまう可能性がありますので、注意がいります。

Q:長期休みだと多いのが、おじいちゃんおばあちゃんの家に行くということですが、どうでしょうか。
A:高齢者や、糖尿病や高血圧などの病気のある人が感染すると、重症化したり亡くなったりする危険性が高まります。感染させないよう、地域で流行しだしたら祖父母らの家には行かないようにしたいですね。

*先はまだ長そうなので、もちろん子どもたちも、それを見守る大人たちも上手にストレス発散をしていきたいですね。

Page TOP