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2016年10月9日(日)
世界が注目する英国ビジュアルアート「ターナー賞」の行方は!?
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芸術の秋。英国恒例、ターナー賞のノミネート者が発表され、テート・ブリテンにて「ターナー賞展」がオープンしました。

過去にダミアン・ハースト、アントニー・ゴームリー、トレイシー・エミン(ノミネートのみ)、グレイソン・ペリー等、数々のコンテンポラリーアートの先駆者を送り出してきたアート賞。毎回物議を醸すノミネートで話題となりますが、今年の注目は何といっても、巨大なお尻作品!

高さ4.9メートルもの彫刻は、女性アーティスト、アンセア・ハミルトンによるもの。Project For A Doorというシリーズの一環で、お尻の裏側には、真っ青な空が広がり、雲がふわふわと。その下にぶらさがるブランコにはフェティッシュな装飾がほどこされ、、、という至ってシュールでポップなアート、鑑賞者の想像力を多様に錯綜させてくれる作品です。

ノミネートされた4者のうち、お尻に続いて注目なのは、男性アーティスト、マイケル・ディーン。一見墓場のように見える空間。地面には無数の1ペンス、2ペンスのコインが山のように盛られています。総計2万436ポンド分の茶褐色のコイン。この額は、英国に住む典型的な4人家族が一年間に必要とする最低限の生活費なんだとか。貧困、特権、人生をモノトーンな空間に表現した重厚な作品となっています。

受賞者の発表は12月5日、展覧会は来年1月2日まで開催。さぁ一体どのアーティストが受賞するのか。これは「美」なのか、これを「アート」と呼ぶのか、などと芸術議論するのが、ロンドン10月の風習といえそうです。

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