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2017年3月12日(日)
快適空間のバービカンで楽しむ、超おすすめ現代アート
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長く暗かった冬のトンネルをくぐり抜け、日毎に明るさと輝きを増す3月のロンドン。今回はこの春おすすめのエグジビションをご紹介します。

場所はバービカン(Barbican)。ロンドン東のシティエリアに隣接。コンサートや映画、展覧会、イベント各種を開催する複合型施設です。

まずは、カーブ・ギャラリーで行われているリチャード・モーセによる展覧会。アイルランド出身のドキュメンタリー写真家が織り成すマルチ・チャンネル・ビデオインスタレーション。エーゲ海やサハラ砂漠、中東などで撮影された移民たちの危機、そして戦争の裏側。30キロメートル先まで撮影可能、そして温度や湿度によって見え方が異なる特殊カメラで捕らえたモノクロの映像。人々の深刻な面持ち、あるいは微々たる希望を反映する笑顔。生きるとは、そして死ぬとは、と問いかけてくる作品です。展示は4月23日まで。

2つ目は、ロビーにて開催中の実験的なビデオ上映。ロンドンの女性アーティスト、ソフィー・クレメンツが映した煙のような映像。火薬が爆発した瞬間に舞い上がる一煙。これを96ものカメラでパノラマ撮影し、全ての映像と音楽を合体させたスローモーションのインスタレーション。白い煙がくるくると回り、光を放ち、時に水を得た泡のように、時に怒り狂った竜巻のように、一瞬にして形を変えて行く。そのプロセスは驚くほど神秘的で、極上に美しく、目が釘付けとなります。たかが煙に魅せられて、10分、20分と時間が過ぎていきますよ。こちらは5月1日まで。

どちらも入場無料なので、気軽にポップインできるのが嬉しいところ。バービカンはカフェやライブラリーなどもあり、何となく心が潤う、くつろげる空間です。

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