みらい図鑑

VOL.228「manma」

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赤ちゃんが食べる、離乳食。

手作りではなく、市販のベビーフードを与えることに、
後ろめたさを持つママやパパは少なくありません。

「罪悪感をもたずに選べて、むしろ、手に取ることが楽しくなるようなものを作りたい」

そんな想いを形にした商品が、滋賀県で作られています。
名前は、「manma 四季の離乳食」。

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春夏は、かぼちゃやトマト、なす。
秋冬なら、大根、にんじん、かぶ、さつまいも。
旬の野菜が「そのまんま」、透明のレトルトパックに入っています。

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「manma 四季の離乳食」を手掛けている、
「はたけのみかた」、代表の武村幸奈(たけむら・ゆきな)さんに伺いました。

「“manma”を使うときに、赤ちゃんに、たとえば、“これはニンジンだよ”とか、
“これはトマトだね”というような、
そういうコミュニケーションをとっていただきたいなと思っているんですね。」

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「manma 四季の離乳食」に使われる原材料は、
お米も野菜も全て滋賀県産で無農薬・無添加。

無農薬で農業を頑張っている生産者さんを応援したい、
誰に届けたら応援できるんだろう、
考えた結果、 浮かんだのは“子育て世代”でした。

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無農薬だと野菜の形も悪くなって、お店には出しにくくなりますが、
離乳食ならつぶしてしまうので、形の悪さは関係ありません。

それらを高価格で買い取ることで、生産者さん達への支援につなげています。

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「農家さんの想いのこもった本当に美味しい野菜なので、
それをそのまま加工品にするというのが難しくて。

どうしても調味料を入れたりすると味がなくなってしまったり、
加工の過程で風味や食感が飛んでしまったり、そういうことがあったので、
野菜の魅力をそのまま伝えるために、何度も試作を繰り返しましたね。」

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原材料の “そのまんま”のおいしさと栄養がつまった「manma 四季の離乳食」は、
赤ちゃんも、パパやママも、そして、生産者さんも、、、みんなが喜ぶ“食の原点”。

是非、多くの人に知ってもらいたいですね。

VOL.227「中津箒」

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掃除用具としておなじみの「箒(ほうき)」。

かつて、箒の一大産地として栄えた地域があります。
神奈川県にある自然豊かな町、愛川町中津(なかつ)。

“ホウキモロコシ”というトウモロコシを使って作られるこの町の箒は、
「東京箒(とうきょう・ほうき)」と呼ばれ、全国に大規模出荷されていました。

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その全盛期は大正期から昭和20年頃まで続きましたが、
昭和30年代後半以降、
電化製品の登場によって、愛川町の箒は衰退。

ですが、現在、箒づくりの文化を復活させようと、新たな取り組みが始まっています。

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箒づくり復活の仕掛人、
「まちづくり山上(やまじょう)」、代表の柳川直子(やながわ・なおこ)さんのお話です。

「“こんなにたくさんトウモロコシを畑に作って、一体なんだろう?”と。
材料は、学名で“ホウキモロコシ”というんですね。
それを育てるわけですが、畑を耕して、種まきをして1本ずつ収穫して、
頃合いの良いところを見計らってね。
それを乾燥して、職人が箒の形に組み立てていくわけですね。
もちろんデザイン性とかも考えます。」

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柳川さんが「まちづくり山上」を立ち上げたのは、2003年。

材料となるホウキモロコシの確保や職人探しから始まり、
自宅の蔵を改装し、箒博物館「市民蔵常右衛門」をオープン。
そこに、ホウキモロコシづくりの担い手や、職人たちが集まりました。

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1本1本、手作りで仕上げられていく箒は、
地域の名前をとって、「中津箒(なかつ・ほうき)」と命名されました。

その評判を、柳川さんはこんな風に語ります。

「身近にないから、こんなに軽くてしなやかなのか、と驚かれますよね。
お気に入りになってきます。
10年経ったときの自分の使い方が、その姿を見ていると、
乱暴だったなとか、雑だったなとか、丁寧だったなとか、
それがすべて見られるので、とても良いと思います。」

10年後の自分が投影される箒。
ちょっと背筋を伸ばそう、、という気持ちになれるのも素敵ですね。
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