みらい図鑑

Vol.10 「千年サンゴ」 徳島県牟岐町

radikoで再生する


徳島県の南部にある、のどかな漁業の町、牟岐町。
この町の沖に暮らす生き物に、いま、世界中が注目しています。それが今回のタカラモノ。
世界最大級の規模を誇り、千年以上の間、生き続けているサンゴ、「千年サンゴ」です。



牟岐町にある牟岐大島内湾の水深23mの海底に根を張り、高さ約9m、外周約30mにもなる巨大なこのサンゴは、珍しいツリー状をしているところから、別名「水中クリスマスツリー」とも言われています。

この貴重なサンゴを保護するために活動しているのが、
「千年サンゴと活きるまちづくり協議会」。
会長をつとめる浅香新八郎さんはこう語ります。

「千年サンゴは地域の宝というだけでなく、地球環境保全の象徴であると思っているんです。
山・海・川とつながっていて、その結果というのが海に現われているんです。
その“生きもの”の象徴として千年サンゴというものがあると思うんです。」



千年以上ものあいだ、このサンゴが生き続けてこられたのは、
島が開発されず環境破壊がなかったことなど、いくつもの好条件が重なっておきた奇跡だといいます。

そんな奇跡の遺産を保護したいという想いは、共感を呼び、地域を越えて、
大きな輪になりました。

「最初はサンゴを食べるオニヒトデを駆除すれば、それでいいかなと思っていたんです。
だんだん仲間が増えてきて面白くなってきましたね。
次世代を担う子どもたちに、いまの山とか海とか川を連れて行って見てもらって、
その子どもたちにも語り継いでもらいたい。
そのための機会とか、場所づくりをおこなっています。」




海、、、だけでなく地球の歴史を千年もの間、じっと見つめ続けてきた大切なサンゴ。
100年後にもその年輪を刻み続けていてほしいですね。