みらい図鑑

Vol.32 「曽爾高原のススキ」 奈良県

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日本の秋の原風景のひとつ、ススキ。
あたり一面が金色に輝いている、そんな風景がこの時期、奈良県で楽しめます。

場所は、奈良県と三重県の県境に位置した国立公園、「曽爾高原(そにこうげん)」。
倶留尊(くろそ)山から亀山を結ぶ西麓に、約40haのススキの草原が広がっています。



成長時期によって美しさが変化するというススキ、
9月下旬から11月下旬ごろまで、2か月近くにわたっていろんな表情を見せてくれます。

9月中旬ごろは、紫のほうきのようなススキが秋風になびき、
10月になるとススキの穂が開き、秋の日差しを浴びて銀色の輝きへ。
そして、10月後半から11月中旬にかけては、夕日に穂が乱反射して、
キラキラと黄金色に輝きます。

曽爾村観光協会、木治千和(きじ・ちかず)さんにお話をうかがいました。

「曽爾高原自体が野球場10個分の広さがありまして、そこ1面にススキが広がっています。そこから、鎧岳、兜岳、屏風岩といろんな山々が見えるんですが、
それが、昔ながらの風景がそのまま残っているというのが魅力ですね。」

野球場10個分の高原に広がっているススキ。
1000年前から同じ景色が広がっているんだそうです。
木治さんのオススメは、どんな風景なんでしょうか?

「夕陽がススキに当たって逆光を浴びてキラキラと輝いた後に、
山の稜線沿いに夕陽が沈んでいる景色を見たら、誰もが感動するような景色ですので、
ぜひ、見に来て頂きたいと思います。」



見頃の期間中に行われる、曽爾高原の中腹にある「お亀池」の周囲900mを、
灯籠のやさしい光で飾る「曽爾高原山灯り」も圧巻。



1000年前から変わらない贅沢なこの景色を、100年後のみらいにも残していきたいですね。