Vol.34 「紀州の梅干し」 和歌山県
日本人にとって秋の食欲をそそる”究極のごはんのおとも”が、今回のタカラモノ。
「紀州の梅干し」です。
梅の生産量日本一を誇る和歌山。その歴史は51年前に遡ります。
1965年に品種登録された「南高(なんこう)」の栽培が、みなべ・田辺地方で拡がり、
大粒で果肉が柔らかく質の良い「南高梅」の大産地として発展。
紀州梅の産地は、昨年12月、「みなべ・田辺の梅システム」として世界農業遺産登録されました。
およそ400年にわたり、梅を中心に地域資源を有効活用して、
生物多様性や農文化を育みながら、持続的に生産されてきた農業システムが、
「みなべ・田辺の梅システム」です。
代々と受け継がれ、長年にわたって日本中の食卓を彩ってきた「紀州の梅干し」。
その愛される理由を「紀州田辺梅干協同組合」、理事長の中田吉昭(なかた・よしあき)さんに伺いました。
「果肉のきめの細やかさ、非常にやわらかくてとろけるような食感。
そして梅そのものが持つ味の良さですね。
それが活かされているからこそ、紀州梅干しっていうのは美味しくて、
多くの人に好まれているんだと思います。私も毎日、食べております。」
現在も、昔ながらの伝統製法で造られている「紀州の梅干し」。
収穫した梅を1か月ほど塩で漬け込み、天日干しにしたあと加工。
日本の伝統的健康食である、昔ながらの酸っぱくて塩辛い梅干しを作り続けています。
地元の小学校では、梅干しを学び、給食で食べる食育の授業も行われていて、
大人気なんだそうです。
「子供さんたちも梅干しが大好きだって言ってくれています。
この子どもたちが将来もずっと梅干しを食べ続けてくれる、
100年後も、紀州梅干しが、日本だけでなく世界中の人々の健康に活かされている、
それを夢見て作り続けていきたいと思っております。」
和歌山が誇る「梅干し」。
ニッポンを飛び出して世界中で愛される未来は・・・もう来ていますよね。