みらい図鑑

Vol.66 「TOKYO油田」 東京都

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6月は環境月間。
資源がない、と言われ続けてきた日本ですが、東京に“油田”が眠っていることを
ご存知でしょうか?

名前は「TOKYO油田」。油田の正体は“天ぷら油”。
東京で使われた家庭や事業者の天ぷら油を回収し、
二酸化炭素を増やさないバイオディーゼル燃料などへの再資源化を通して、
生活環境の改善に貢献していくためのリサイクルプロジェクトです。

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プロジェクトの代表を務める女性、染谷ゆみさんのお話です。

「TOKYO油田というのはですね、みなさんが家で揚げ物をしたときに使った油。
これを集めて、車を走らせたり、電気を作ったりしているんですね。
みなさんの家から出る油が資源になるということで、TOKYO油田という名前をつけました。」

実は染谷さん、世界で初めて、使用済みの油をバイオディーゼル燃料に変換する技術を
開発された方なんです。

染谷さんの実家は代々受け継ぐ油屋。使用済みの油を収集して再利用する職業です。
まずはその仕事から始めた染谷さん、いろんな飲食店を回って使用済みの食用油を回収しました。その後、1992年に「TOKYO油田」という言葉を創り、
97年にはバイオディーゼル燃料の開発に成功、全国各地で油の回収を始めて20年が経ちました。

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「とにかくですね、みなさん、家で天ぷらとか揚げたら、油を捨てないでいただいて、
回収ステーションを検索して頂くと、意外と近くにあったり、
それから行政が回収をしていたりするので、チェックしてみてください。

100年後の未来は、エネルギーがタダになる時代になると私は思っています。
使い終わった油を出して、それをまたエネルギーに変えて使う、
そんな循環型社会をみなさんで体験して頂けると、面白いと思います。」

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100年後には、エネルギーがタダになる。
その一歩が、家で出た揚げ物の油を捨てずにリサイクルすること。
誰でもできる少しの行動で未来の在り方が変わるって素敵なことですね。

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