みらい図鑑

Vol.82「相撲のぼり」 岐阜県

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日本において、1400年の歴史と伝統を誇る「大相撲」。
会場の外にズラーッと並んでいる色鮮やかな「のぼり旗」、
一度は目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

「相撲のぼり」と呼ばれる旗、その半分以上は岐阜県の会社で作られています。

創業140年、「吉田旗店」、6代目の吉田聖生(よしだ・まさお)さんに伺いました。

「ひとつひとつ文字も手書きですし、染めも手作業なので、
それぞれの人の想いがこもっているわけですね。
“相撲のぼりといえば吉田だな”と言って頂けますので、
誰にも負けないものを作ろうと、強い気持ちで臨んでいます。」



縁起物として、基本的には毎場所作られるという「相撲のぼり」。
力士の四股名は、手書き。
下書きなしで力強く文字を書いていきます。

そして、文字の色を決める作業もふくめ、
すべてが熟練の職人さんのセンスで決められていきます。

「コンピューターで簡単に綺麗なものを、いろいろ作れるようになった時代だと
思うんですが、注文される方の想いを表現することに関しては、
やっぱり手作りじゃないと伝わらないのではないかと、ぼくは思うんです。」



全国から旗屋の後継者たちが伝統の技を学びに来る「吉田旗店」。
最後にこんなことを伺いました。

若い方々に、吉田さんが伝えたいことって何ですか?

「技術よりもセンスよりも、なによりも、心なんです。」

取組だけでなく「相撲のぼり」もじっくりと見て回る・・・。
大相撲の楽しみ方がひとつ増えますね。