みらい図鑑

Vol.84 「醤油発祥の地の食育活動」 和歌山県

radikoで再生する


日本の「食」に欠かせない調味料といえば、醤油。
その発祥の地は、和歌山県の湯浅町です。

最盛期の江戸時代、湯浅町には100軒近くのお醤油屋さんがありましたが、
現在は、ほんの数軒になってしまいました。
そんな中、杉樽を使った昔ながらの製法で醸造を続ける会社があります。

「湯浅醤油」。
直径2.3メートルの杉の大樽で、濃口醤油の場合、1年から2年の歳月をかけて、
じっくりと熟成させるという製法を守り続けています。




そんな「湯浅醤油」が、“世界で一番の醤油を作りたい”という想いを胸に、
現在、力を入れているのが、“醤油作り”を通した子どもたちへの食育活動です。

「湯浅醤油」、代表の新古敏朗(しんこ・としお)さんにお話を伺いました。

「いま、数百円で醤油が簡単に買えてしまうんですね。
でも実際に自分で醤油を作ったら、
二年間かけて、こんなに時間をかけてこんなに大変なんやと、
そんなふうに醤油を自分で作って、食べるときの楽しみや喜びってすごいんですね。」



“教える立場の自分が教わることもたくさんある”という新古さん。
同じ方法で、同じ材料を使っていても、
子どもたち一人一人によって出来上がる醤油は、まったく違う味になるんだそうですよ。



「いろんな人が関わってモノを作っているというモノヅクリの大切さ。
それから、醤油が自分の街で生まれた、っていうことを言い続けてほしいという
想いもあります。
そういうことを、醤油づくりという食育をとおして伝えていきたいんですね。」

湯浅の地で、いつまでも醤油づくりの文化が続いてほしいですね。