みらい図鑑

Vol.85 「エディブル・ウェイ」 千葉県

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今回は、今年のグッドデザイン賞も受賞している、ある「道」の話題です。
その名も「エディブル・ウェイ」。
日本語に直訳すると、「食べられる道」です。

“食べられる道”!? 一体、どういうことなんでしょうか?

千葉県の松戸駅から千葉大学までの、およそ1キロの通学路。
家々の前には、食べられる植物が植えられたプランターがズラッと並んでいます。




この「エディブル・ウェイ」を主宰しているのが、
千葉大学大学院 園芸学研究科に通う大学院生、江口亜維子(えぐち・あいこ)さん。

無料で配布したプランターを、自宅の前や通りの空き地のスペースなどに置いてもらい、
地域の道を“食べられる植物”で彩ろうという取り組みです。

1軒1軒訪ね歩いた成果が実をむすび、賛同する家庭が徐々に増えて、
今では立派な「エディブル・ウェイ」になりました。




「去年の9月から植えたのは、ゴールとして、みんなで鍋を囲もうっていうアイデアが
あったので、大根、水菜、春菊とか、鍋に使えるような野菜を最初は植えていました。
それで、冬野菜が終わって次の野菜になる時に、野菜だけど見て楽しい“黄色いトマト”
とか、“黒いトマト”とか、そういうものを選んでいます。」

収穫した野菜はそれぞれの家庭で食べたり、
地域のキッチンスペースに持ち寄ってイベントなどを行っているんだそうです。




「駅から大学までの道でやっているんですが、
通学路で立ち話をする機会がすごく増えましたし、
夜遅く帰る時も、すれ違ったときに手を振ってくださったりすると、
やっぱり安心して帰れますよね。」

食べられる道「エディブル・ウェイ」は、野菜や果物だけではなく、
地域のコミュニケーションも作っているんですね。