みらい図鑑

Vol.90 「竹あかり」 熊本県

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「自分たちのまちは、自分たちで照らそう」。
そんな呼びかけをおこなっているチームが熊本県にあります。
名前は、「ちかけん」。

竹を斜めに切って、様々なデザインの穴をあけ、
その中に火の灯ったロウソクを入れれば出来上がり。




何百本、何千本の竹あかりを集めて、
地域のみんなで、ひとつの大きな作品を作るこのプロジェクトが、
熊本を拠点に全国に広がっています。



竹あかり演出家の三城賢士(みしろ・けんし)さんに伺いました。

「竹あかりを見た人は、涙を流して喜んでくれたり、拝んでいるおばあちゃんもいるんです。
日本は、もともと竹のかごとか、竹の橋とか、
ほんと、竹だけでみなさん生活をしてきたぐらい身近なものだったんですけど、
プラスチックなんかがどんどん出てきたことで、
なかなか本物の竹を使うことが無くなったんですね。」



使われる竹は、竹林整備により伐採される間伐材。
あかりをともした後の竹は、炭や堆肥にして土に還します。

この循環の輪も「ちかけん」の作品のひとつ。
三城さんの思いを教えて頂きました。

「いままで切られていた竹林が、切る人がいなくなって、
誰も入れない藪になって放置されています。
もういちど、竹にみんなが目を向けてくれる活動になればいいなと思っています。」



特別な職人さんが作るのではなくて、街のみんなで作る竹あかりのオブジェ。
電気ではない自然の光によるライトアップが、
見る人の心を優しくなごませてくれそうですね。