みらい図鑑

Vol.92 「鹿革のモノヅクリ」 群馬県



今回、ご紹介するのは、尾瀬の麓、群馬県の片品村に暮らす、
村でたったひとりの女性猟師の話題です。

「尾瀬鹿工房かたしな」、代表の本間優美(ほんま・ゆうみ)さん。




本間さんが行う狩猟はチームプレイ。
仲間と共に地元の森へ入って、猟銃で鹿を仕留め、
その鹿の革を使って、様々な商品を作っています。




この20年ほどのあいだに、日本で大きな問題になっているのが、鹿による食害。
高齢化によるハンターの減少や地球温暖化など、さまざまな理由によって増え続ける鹿。
その数、20年前のなんと9倍!

本間さんに伺いました。

「田舎に住んでいる人にとっては、わりと、鳥獣被害って日常のものなんですが、
都会の人にはぜんぜん関係のないものなんですよね。
ただし、この片品は観光地として、
都会の人が訪れてくれて、自然を楽しむ場所なんですよね。
そこで、こういう、地元の革を活用した商品をいろんな人に手にとってもらうことで、
都会と田舎をつなぐような活動にしていければなと思っているんです。」



仕留めた鹿は、本間さん自身がミシンを使って皮を製品化。
鹿の皮はいろんなものに加工できるそうです。

「革製品で作っているようなものは、だいたい鹿革で作れます。
たとえばお財布だったり、ライダーが着ているジャケットなんかも鹿革だと、
なじみやすくて着やすいんですね。
いま牛革を使っているけど、それを鹿革に置き換えられるものはたくさんあると思います。」



今後は、皮を製品化するだけでなく、鹿肉もジビエ料理に活用したいという本間さん。
駆除される鹿の命を無駄にしない取り組みに全力を注ぎます。

村で唯一の女性猟師、本間さんは現在35歳。
“いのちと向き合い、いのちをいただく”挑戦はこれからも続きます。