みらい図鑑

Vol.94 「あきた森の宅配便」 秋田県

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地方に暮らすおばあちゃんやおじいちゃんにとって、
山に入り、美味しい山菜を探してくるなんて朝飯前かもしれません。
都会の人にとっては、もちろん、違います。
そもそも、山のどこに山菜があるのか見当もつきません。
美味しい山菜がわからないどころか、
食べられるものと食べられないものを見分けることも出来ません。



山のおばあちゃんやおじいちゃんは、すごい。
すごいけど、決して、スポットライトを浴びることはありません。
スポットライトを当てたら、どうなるんだろう。



秋田県で生まれた「あきた森の宅配便」という会社は、
おばあちゃんやおじいちゃんたちが、
都会に暮らす方に代わって、山で探した山菜を送っています。



 「山菜採りに行く人たちのことを山の名人と呼んでいるんですが、
 その技術や知識に着目して、
 名人たちを主役にしてやっているんですね。



教えてくれたのは、「あきた森の宅配便」
代表の栗山奈津子(くりやま・なつこ)さん。



 「都会から山菜の注文がくると、やっぱり気合が入るんですよね。
 この仕事が生きがいと話してくれるおばあちゃんもいて、
 そういう姿を見ていると、わたしも本当に嬉しくなるんですよ」




今、日本中の多くの地方が、少子高齢化と過疎化という問題を抱えています。
どうやって地域に光を当てるか、試行錯誤しています。
「あきた森の宅配便」の場合は、
山菜を採る、おばあちゃんやおじいちゃんを主役にしているんですね。
物語をまとった山菜。
それを売り出している栗山さんは、まだ、二十代です。

「あきた森の宅配便」のウェブサイトには、
山の名人紹介のページがあり、
そこには30人のおじいちゃんおばあちゃんが掲載されています。

たとえば石垣一子さんの場合、得意な山菜は、「ふきのとう」。
趣味の欄には、「孫と遊ぶこと」と書いてあります。
「もりの宅配便」がまとっているもの。
それは、まるで実家から送られてきたような温もりです。



 「森とか自然を活かしつつ、人間と動物や植物との共存を、
 もっともっと考えて、
 それで、地元の風景を残していきたいな思います」



山菜という恵みは、山からやってきます。
「だからこそ、山菜と一緒に、、、山を大切に想う気持ちも届けたい!」
ステキな取り組みですよね。




おばあちゃんおじいちゃんの名人たちが、山で採った山菜。
インターネットで販売されていて、
今は、年末に向けて、「天然山菜そば」が人気だそうです。