Vol.100 「オケクラフト」 北海道
面積の7割以上が森林にあたる北海道。
地域によって、広葉樹林や針葉樹林が広がり、かつ、
針葉樹と広葉樹が混じり合った森林があるのも特徴のひとつです。
そんな北海道の東部、オホーツク海に注ぐ清流「常呂川(ところがわ)」の源流に、
クラフトの町と呼ばれる町があります。
常呂郡置戸町(ところぐん・おけとちょう)です。
置戸町で学んだつくり手が北海道の木材を使い、
置戸町で製作する地域ブランドの木製品。ぞれが「オケクラフト」。
高速で回転させた木材に刃物を当てて削り、製品をつくる“木工ロクロ”という技法が特徴。
町には23もの工房があって、
そこから生み出される優しい丸みを帯びた木製の食器には、
全国に多くのファンがいます。
「オケクラフトセンター森林工芸館」で館長をつとめる、
五十嵐勝昭(いがらし・まさあき)さんに伺いました。
「私たちのオケクラフトで、いちばん多く使っているのはエゾマツという針葉樹です。
特徴としては、エゾマツの持つ独特な白い木肌の繊細な木目、
さらには、木のぬくもりや、白い木肌が持っている温かみというところでしょうか。」
食器の木肌が白い、というのは、雪国・北海道の木ならではですよね。
ぜひ、日常の暮らしに、オケクラフトを取り入れて欲しいと五十嵐さんは話します。
「それぞれの人の心に、豊かさを与えてくれる。
これが、私たちのオケクラフトではないかと思っているんですね。
オケクラフトの木のスプーンで食べる時、唇に当たる口触りが、明らかに違うんですね。
その口触り、肌触り、手触り、これを感じてもらえたら嬉しいなと思っているんです。」
学校給食でもオケクラフトの食器を使っている置戸町。
有り余る北の大地の恵みは、
人の手によってぬくもりのあるモノへと姿を変え、これからも生き続けます。