みらい図鑑

Vol.106 「南部鉄のアクセサリー」 岩手県

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今回は、アクセサリーの話題。
それも、材料が“南部鉄”のアクセサリーです。



岩手県の伝統工芸といえば「南部鉄器」。
江戸時代から伝わる「南部鍛造」といわれる鉄の加工技術で作られている鉄器で、
鉄瓶や急須、風鈴などがよく知られています。



その魅力を現代に伝えるにはどうすればいいか、
どうしても、鉄器だけでは今の時代には伝わりにくいのではないか。
そんな想いから、伝統の技・南部鉄器にアートを融合させて、
アクセサリーを作っている工房が雫石町にあります。



「流工房(りゅうこうぼう)」、代表の鈴木 勝(すずき・まさる)さんに伺いました。

「私たちの工芸技術っていうのは、世界でも本当に優秀なんですよね。
そういったところを、より引き出していけば、
もっともっと違うものを作れるんじゃないかと思ったのが、最初の着眼点でしたね。」

そんな鈴木さん、出身は大阪。
以前の仕事でたまたま立ち寄った岩手で、土地の魅力に触れ、
南部鉄職人との出会いをきっかけに、岩手県雫石に移住、現在の工房を設立しました。



発信しているのは、“鉄を感じさせないアクセサリー”。
鈴木さんは、こう続けます。

「もちろん、鉄を感じてもらえるような風合いや味わいは残しているんです。
ただ、重いんじゃないか、錆びるんじゃないか、硬いんじゃないか、
冷たいんじゃないかって、みなさん思われるんですね。

そこを、ひとつひとつ解決していって、重くないような、
柔らかい味わいの温かみを感じるものにアレンジしています。
鉄の本当に深い魅力というんでしょうか、それを引き出す努力を常に心がけています。」



南部鉄に加えて、漆の生産でも有名な岩手県。
鈴木さんの流工房では、鉄と漆を掛け合わせたアクセサリーづくりにも力を注ぎ、
国内だけでなく、海外からも注目を集めているそうです。

日本の伝統技術から生まれた現代のアクセサリー。
世界のいろんな場所に広まっていくといいですね。