2008年6月15日
ミヒャエル・エンデ 『モモ』
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

ドイツの作家ミヒャエル・エンデが1972年に発表し、今でも世界中で愛されている童話「モモ」。その物語の主人公は廃墟となった円形劇場を住処にする「モモ」という少女です。「モモ」はいつも裸足で、髪の毛はクシャクシャ。しかし町の人は「モモ」に話を聞いてもらうと不思議と幸せな気持ちになるのです。そんなある日、町に現れた「灰色の男たち」。実は、彼らは「時間どろぼう」。町に暮らす人々の時間を盗みにやってきたのです。小川洋子さんがこの童話と出会ったのは大学卒業後、大学病院に勤めていた頃の事。忙しい時間の中で「モモ」を読み、自分自身が「時間を盗まれた人」と同じだと感じたそうです。

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