2008年10月12日
アラン・シリトー『長距離走者の孤独』
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

イングランド出身の作家アラン・シリトーが、1959年に発表した「長距離走者の孤独」。主人公は、貧しい家庭に育ったスミスという少年。彼は強盗の罪で感化院に送られ、そこで足の速さを見込まれます。そして厳しいトレーニングを受け、長距離走者としてクロスカントリーの大会に出場するのですが、しかし・・。この作品は、すべて主人公「スミス」の視点で書かれてあるため、乱暴な言葉遣いと反抗的な態度でいっぱい。しかしなぜか「さわやかさ」を感じる作品です。そのさわやかさはどこから来るのか。「それは主人公の考えにブレがないから。彼なりに誠実さを持っているからでは」と小川洋子さんは感じたそうです。

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