2008年11月2日
泉鏡花『高野聖』
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

明治の終わりから昭和のはじめにかけて活躍した作家「泉鏡花」。鏡花の小説は「幻想文学」と呼ばれることも多く、「高野聖」はその代表作。明治33年、鏡花が28歳の時に発表。それから108年、今でも読み継がれている名作です。「高野聖」とは諸国行脚をしている高野山の僧侶のこと。この物語では、語り手となる「私」が車中でひとりの「高野聖」と出会い、敦賀の宿に一泊し、若き日の不思議な体験談を聞くという物語。「高野聖」が飛騨から信州へ山越えをした際、ある一軒家で宿を乞い、そこで妖艶な美女にもてなされます。ところがその美女は、なんと近づく男を動物に変えてしまう妖怪だったのです。

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