2009年08月23日
村上春樹
『1Q84』<第一週> 
(新潮社)

「1Q84」BOOK1の最初の1行を読んで、早くも嬉しくなってしまう人も多いのでは。タクシーのラジオから流れるFM放送について書かれてあって、これぞ村上文学。今までにも彼の作品には、FMラジオがよく登場するのでファンにとっては嬉しい書き出しです。さらに物語の主人公「青豆」と「天吾」。二人の異なる物語が交互に出てくるところも村上文学らしい構成。しかし今までと違うのは「三人称」で書かれてあることです。さらに読み進めていくとなんとも言えない不思議な空気感。読者である私たちはこれからどんな世界に連れていかれるのか、不安でもあり楽しみでもあり。そこがまさに「1Q84」の魅力につながっています。

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