2010年09月12日
アガサ・クリスティ
『オリエント急行の殺人』

 (ハヤカワ文庫/クリスティー文庫)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

アガサ・クリスティの生誕120年を前に、代表作「オリエント急行の殺人」を取り上げました。事件の舞台は、ヨーロッパを横断する「オリエント急行」の中。列車が雪で立ち往生した翌朝、乗客のひとりであるアメリカの富豪が体に無数の刺し傷を受けて殺されていました。そこに偶然、乗り合わせていた名探偵エルキュール・ポアロ。彼は列車の中という密室殺人に挑み、乗客たちに事情聴取をはじめます。しかし彼らには全員アリバイがあったのです。犯人が誰であるかを考えながら読むのはもちろんですが、小川洋子さんは犯人を知りながら読んでも楽しめたとか。伏線が丁寧に描かれていて、文学としての魅力もあふれるミステリーの名作です。

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