2010年10月10日
山際淳司
『スローカーブを、もう一球』
 (角川文庫)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

「体育の日」を前に選んだのは、ノンフィクション作家・山際淳司さんの「スローカーブを、もう一球」。スポーツをテーマにしたエッセイが8編収められている1冊です。表題の「スローカーブを、もう一球」は、1981年に日本ノンフィクション賞に輝いた作品。甲子園出場など夢にも思っていなかった群馬県のある高校が快進撃を続け、関東大会を勝ち残っていく様子を描いたエッセイです。チームのエース川端投手がスローカーブを得意としていたことからこのタイトルがつきました。「高校野球の魅力だけでなく、人間の魅力も伝えてくれる作品。」と小川洋子さん。精神的にも日々成長していく高校生たちの姿が、生き生きと描かれています。

...続きを読む