2011年02月27日
茨木のり子
『おんなのことば』
 (童話屋の詩文庫)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

戦後を代表する詩人・茨木のり子さんの詩を集めたアンソロジー「おんなのことば」。この中で最もよく知られているのは「わたしが一番きれいだったとき」。学校の教科書にもよく取り上げられるこの詩は、日本が戦争に負けた時、ちょうど二十歳だった茨木さんの心の叫び。「わたしが一番きれいだったとき 街はがらがら崩れていって とんでもないところから 青空なんかが見えたりした」という言葉ではじまります。そしてこの詩の魅力は最後の部分に希望とユーモアがあるところ、と小川洋子さん。これからの自分を表現した力強さにあふれています。興味のある方は、ぜひこの本を手にとって声に出して読んでみて下さい。

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