2011年09月04日
鴨長明『方丈記』
 (角川ソフィア文庫 ビギナーズクラシックス)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

清少納言の「枕草子」、吉田兼好の「徒然草」とあわせて、日本三大随筆と呼ばれる「方丈記」。鎌倉時代の文人・鴨長明が、1212年に記しました。「行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」という書き出しの部分を学生の頃に暗記した方も多いのでは。しかし当時は、どれだけ内容を理解できていたのか、大人になって味わってみると、あらためて感じることも沢山ある作品です。河の流れにたとえて「無常」について綴った鴨長明の想い。「今なら自分の生き方に引き寄せて読むことができる」と小川洋子さん。やはり古典文学の奥深さは、大人になってはじめて感じられるのではないでしょうか?

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