2013年04月14日

アンドレア・バレット
『地図に仕える者たち』
 (DHC)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

小川洋子さんのおすすめの作品「地図に仕える者たち」。アメリカの女性作家アンドレア・バレットの小説です。時代は、大英帝国がインドを支配下においていた19世紀半ば。カシミール地方の地図を完成させるため、インド測量局のメンバーはヒマラヤ山脈に入っていきます。そのひとりがイギリス人測量士マックス・ヴァイン。彼は、妻の手紙を心の支えにして過酷な自然の中で任務を遂行していきます。この物語の魅力は様々な視点を感じること。19世紀に地図を作ることの他にも、ヒマラヤの自然の過酷さ、植物の魅力、妻と夫のつながり。そして当時のインドとイギリスの関係まで知ることができる作品です。

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