2014年01月26日
エリ・ヴィーゼル
『夜』
 (みすず書房)

小川洋子さんが今まで何度も読み返しているという小説「夜」。最初の出会いは、20年近く前のこと。アンネ・フランクについて書くことになり、その時にはじめてエリ・ヴィーゼルの「夜」を読んだそうです。そこに描かれているのは実際に体験した人でないと書けない世界。死がつねに隣にある過酷な毎日です。アンネ・フランクとエリ・ヴィーゼルは同世代ですが、アウシュヴィッツから戻ってくることができた人。できなかった人。その違いはどこにあったのでしょうか?生き残ったエリ・ヴィーゼルは、「証人としての生き方」という言葉を綴っています。体験したものが語り継ぎ、伝えていく。そのひとつの形として書かれたのが「夜」だったのではないでしょうか?

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