2014年11月30日
ケイン
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』

 (光文社古典新訳文庫)

二人がニックを殺害する計画、一度は失敗に終りますが、あきらめないフランクとコーラ。その後、二人の行動と運命はどうなっていくのでしょうか?小説「郵便配達は二度ベルを鳴らす」が発表されたのは1934年のこと。当時ベストセラーになりましたが、それと同時に過激で不道徳な内容であることから、カナダでは発売禁止になっています。それから80年、今の時代に読むとそれほど過激には感じません。作家ケインのキレのよい文体とともに、人生の残酷さが描かれています。なぜフランクとコーラは間違ったほうへとどんどん突き進んでしまったのか?読み終わったあと心に残るのは、救いようのない悲しさと人間の弱さ。それは80年たった今も変わらず胸に迫るテーマです。

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