2015年03月01日

石井桃子
『三月ひなのつき』
 (福音館書店)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

翻訳家として童話作家として戦後日本の児童文学に大きな影響を与えた石井桃子さん。メロディアス・ライブラリーでも石井桃子さんが手掛けられた様々な作品を取り上げています。翻訳の代表作「クマのプーさん」や絵本「ちいさいおうち」。また石井さんが書かれた「ノンちゃん雲に乗る」も忘れられない童話です。「ノンちゃん雲に乗る」から16年たった1963年に発表されたのが今回取り上げた「三月ひなのつき」。主人公はお母さんと二人で暮らす「よし子」という小学生です。「よし子」はひな人形が欲しくてたまりません。しかしお母さんはなかなか買ってくれないのです。その理由はお母さんの子供時代の思い出と関係しています。実はお母さんには忘れられない大切なおひなさまが心の中にあるのです。

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