2015年03月15日

ガストン・ルルー
『オペラ座の怪人』

 (光文社古典新訳文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

ブロードウェイや劇団四季のミュージカルとしても人気の「オペラ座の怪人」。原作はフランスの作家ガストン・ルルーの小説です。1909年フランスの新聞「ゴーロワ」で連載がはじまりました。物語の舞台は、1875年にパリで完成した劇場。ここでは怪人の噂でもちきりでした。「確かに見た」という者もいるほど。そんな中、道具方の主任であるジョゼフ・ビュケがオペラ座の地下3階の奈落で亡くなっているのが発見されたのです。大きな影を持つオペラ座。表舞台ではクリスティーヌ・ダーエという歌姫が観客を魅了していました。実は彼女のバックにはある重要人物がついていて、それが怪人エリックだったのです。

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