2015年06月28日

松谷みよ子
『龍の子太郎』
 (講談社青い鳥文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

「ちいさいモモちゃん」などを書かれた日本を代表する児童文学作家の松谷みよ子さん。残念ながら今年の2月28日、89歳で亡くなられています。今回は松谷みよ子さんの代表作のひとつ「龍の子太郎」をあらためて読んでみました。「ちいさいモモちゃん」発表より4年前の1960年、松谷さんが34歳の時に書かれた童話。講談社児童文学新人賞やアンデルセン賞優良賞も受賞されて、55年間読み継がれています。主人公は険しい山あいの村で、ばあさまと暮らす龍の子太郎という少年。彼には脇の下に不思議な形のあざがあります。その後、自分の名前のいわれから出生の秘密を知った太郎は、母を訪ねて旅に出るのです。

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