2015年07月26日

湯川豊
『イワナの夏』
 (ちくま文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

夏休みにアウトドアを楽しむ方も多いでしょう。遠出をする時間がないという方は、読書で渓流釣りが楽しめる1冊、湯川豊さんのエッセイ集「イワナの夏」はいかがでしょう。編集者で文芸評論家でもいらっしゃる湯川豊さんは、エッセイストとしても渓流釣りをテーマに作品を発表されています。そのひとつが「イワナの夏」。1983年に発表されたエッセイで、当時、渓流釣り歴10年の湯川さんの体験が綴られています。書き出しも面白く「イワナの特性は‘昔’の中へすばやく逃げこむ」とか。「10年前は足で踏みつぶすぐらいいた」「1週間前は入れ食いだった」などなど。渓流釣りをしない方たちにも楽しめるエピソードの数々です。

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