2015年09月06日
小林秀雄
『真贋』
 (新潮文庫)

小林秀雄の実の妹、高見澤潤子さんは、「兄 小林秀雄」や「兄 小林秀雄との対話」など出版されています。その中で、お兄さまの文章の難しさについて「ふつうの人が五,六行で表現するところを一行か半行で表現しているから」と書かれています。しかし「何度も読んでいくと、文章の中に自分をいつわらずに純粋に生きようとする強い精神力と豊かな愛の心を感じる」とも綴られています。では小林秀雄が持つ「愛の心」とは何なのか?それは「骨董」でも「モーツァルト」でもそれが好きだという純粋な気持ちなのかもしれません。難しいと敬遠せずまずは一度読んでみて、それでもわからない時には何度も読み返してみる。すると文章の中に潜む小林秀雄の「愛の心」を感じることができるのでは?

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