2016年7月31日
田中英光
『オリンポスの果実』
 (角川文庫)

作家の田中英光は、ロサンゼルス・オリンピックから戻ると、同人誌に小説を発表。それが太宰治の目にとまり、師事するようになります。昭和15年、はじめて太宰治を訪ね、この時、持参した原稿は「杏の実」という小説でした。それを「オリンポスの果実」と改題して発表。しかし36歳という若さで亡くなっています。その亡くなり方も壮絶で、昭和24年、太宰治のお墓の前で自ら命をたっています。今回は作家の西村賢太さん編集による「田中英光傑作選」で「オリンポスの果実」を読んでいきましたが、西村賢太さんは解説の中で「田中英光というと太宰治やオリンピック出場のことばかり語られるが、それだけではない」と書かれています、今回手にした「田中英光傑作選」で、他の作品の魅力にも触れてみたいと思います。

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