2016年9月18日

串田孫一『緑の色鉛筆』
 (平凡社STANDARD BOOKS)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

串田孫一さんというと「音楽の絵本」というFMラジオ番組を思い出す方もいらっしゃるでしょう。1965年から94年まで続いた長寿番組。そのパーソナリティとしてご自身の詩やエッセイを朗読されていました。また俳優で演出家の串田和美さんのお父様としても知られています。でも実際にはどんな方だったのか、その実態はつかみにくく、様々な顔と才能を持つマルチな人物でした。哲学者、詩人、随筆家、小説家、画家、登山家などなど。今回取り上げた「緑の色鉛筆」は、生前、串田孫一さんがどんなことを考え、愛し、こだわったのか、その想いを感じるエッセイ集です。

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