2016年10月9日

伊東 潤
『国を蹴った男』
 (講談社文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

「体育の日」を前に、スポーツにちなんだ小説、伊東潤さんの「国を蹴った男」を取り上げました。スポーツと言っても戦国時代の「蹴鞠」。当時は武家のたしなみでもありました。主人公は、京都にある「蹴鞠工房」で職人頭を務める五助という男。やがて「駿河の国」で働くことになります。五助の主になったのは駿河の大名・今川義元の息子「氏真」。蹴鞠の名手として知られる人物です。しかし五助が駿河にやってきて間もなく義元は尾張に攻め込み、織田信長に敗れ桶狭間で討ち死をしてしまうのです。その後、五助の運命はどうなっていくのでしょう。今川氏真と五助は運命共同体となって、そこから不幸な道を辿っていきます。

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