2017年1月29日
キルメン・ウリベ
『ムシェ 小さな英雄の物語』
 (白水社)

時代はスペイン内戦下の1937年。1万9千人のバスクの子供達がヨーロッパ各地に疎開することになります。その中の一人が8歳の少女「カルメンチュ」。彼女を引き取ったのがロベール・ムシェとその家族です。ムシェの家族と幸せな時間を過ごした少女は第二次大戦が勃発したことでバスクに帰ることになり、またロベールの人生も大きく変わっていきます。ベルギー国王軍に徴兵され負傷。その後、結婚して娘が生まれますが、反ナチ抵抗運動に参加したことから強制収容所に送られてしまいます。歴史的資料と取材に基づくノンフィクションに、作者の想像力を織りまぜながら書かれたこの作品。様々な角度で描かれた歴史とムシェの人生が深く心に迫ってきます。

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