2017年3月26日
メアリー・ノートン
『床下の小人たち』
 (岩波少年文庫)

人間に見られてしまったお父さんのポッド。そこで今後に備えて娘のアリエッティが「借りる」訓練をはじめます。床上の世界に憧れていたアリエッティにとってはすべてが新しい体験。自然の美しさに感動し、人間の男の子とも仲良くなっていきます。小川洋子さんの印象に残るのは、アリエッティと男の子が本を読むことで仲良くなる場面。住む世界が違う二人が、本を読むことで結びついていくのです。65年前に発表され、世界中で読み継がれているこの童話の魅力はどんなところにあるのでしょうか?糸巻きが椅子に、切手が肖像画に、マッチ箱がタンスになったりする床下の世界。違う目で現実世界を見ると新たな発見があるのも大きな魅力のひとつです。

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