2017年8月27日

ヘレン・バンナーマン
『ちびくろ・さんぼ』
 (瑞雲舎)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

懐かしい絵本「ちびくろ・さんぼ」。スコットランドの児童文学作家ヘレン・バンナーマンが1899年に発表したお話。小川洋子さんも、幼稚園の先生に何度も読んでもらった思い出があるそうです。真っ赤な表紙に黒人の男の子さんぼが緑色の傘をさして、その周りを4頭のトラがグルグルと回っています。やがて彼らはバターになってしまい、それを使って美味しいホットケーキをお母さんが焼いてくれます。絵本と言うと日本では「ぐりとぐら」も人気ですが、あの物語に出てくる「かすてら」は、「ちびくろ・さんぼ」のホットケーキから影響を受けたもの。作者の中川利枝子さんが「ちびくろ・さんぼ」のホットケーキよりもおいしいものとして「かすてら」を登場させました。

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