2017年9月17日

佐藤愛子
『戦いすんで日が暮れて』
 (講談社文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

「敬老の日」の前日に選んだのは佐藤愛子さんの小説「戦いすんで日が暮れて」。佐藤愛子さんというと、今「九十歳。何がめでたい」というエッセイ集がベストセラーになっています。九十歳を超えてなお作品を発表し続ける佐藤愛子さんの代表作のひとつが小説「戦いすんで日が暮れて」。1968年、45歳の時に発表したこの作品で、直木賞を受賞されています。物語は、主人公の私が、娘の桃子と一緒に家でテレビを見ている場面からはじまります。そこに夫が帰ってきてこう告げるのです。「すまない・・・会社・・・つぶれた」。その負債額はなんと2億3千万円。ここからはじまる奮闘記。主人公も借金返済のために頑張ります。

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