2018年1月28日

プリーモ・レーヴィ
『アウシュヴィッツは終わらない これが人間か』
 (朝日選書)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

イタリアの化学者で作家でもあるプリーモ・レーヴィ。1919年、北部の町トリノのユダヤ人家庭に生まれ、10代のはじめから文学に親しみ、またトリノ大学入学後は化学を専攻します。しかしユダヤ系であることから就職は難しく、1941年に石綿鉱山で働き、その後、ミラノの製薬会社に職を見つけ、糖尿病の新薬を開発する実験に携わります。そして反ファシズム活動に参加しますが、イタリアがドイツ軍に占領されたため、レジスタンス活動に加わり山岳地帯にこもります。しかしファシスト軍に捕らえられ、ユダヤ人であることが明らかになり、1944年2月「アウシュヴィッツ強制収容所」に送られます。この時、プリーモ・レーヴィは24歳でした。

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