2018年3月18日

ルナール
『博物誌』
 (岩波文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

1864年、フランスの北西部で生まれたジュール・ルナール。17歳の頃にパリに出て、作家を志すようになります。30歳の時に「にんじん」を発表。子供時代の体験がもとになったこの小説は現在も世界中で読み継がれ、舞台や映画にもなっています。「にんじん」発表から2年後の1896年に「博物誌」を刊行。新聞に掲載された文章をまとめた短文集で、生き物たちの生態が独自の視点で描き出されています。中でも特に有名なものが「あり」。「どれもこれも、3という数字に似ている」という言葉に読者も思わずうなずき、「そして、いること!いること!3333333…匹、無限な数まで」という部分でクスッと笑ってしまいます。

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