2018年4月22日

吉野源三郎
『君たちはどう生きるか』
(岩波文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

番組にも沢山のリクエストをいただいている吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」。1937年(昭和12年)に発表された児童文学で、初版から80年たった昨年、羽賀翔一さんによって漫画化されました。この作品が大ヒットして発行部数200万部を突破。漫画のヒットとともに原作も再び手に取る人が増えています。主人公は15歳の旧制中学2年生、本田潤一。あだ名はコペル君です。彼にはそばにいて見守ってくれる叔父さんがいます。学校、友達、人生、世の中、コペル君が悩み苦しみ不思議に思うことを、叔父さんは静かに受け止めてくれるのです。一人の人間が成長して大人になるのは大変なこと。この本はどんな時代にも、少年少女に寄り添って励まし続けてくれる文学です。

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