2018年5月13日

三浦綾子
『母』
(角川文庫)

昨年、番組10周年の記念企画で伺った旭川にある「三浦綾子記念文学館」。三浦綾子さんと旦那様の光世さんの強い絆によって三浦文学が完成していることを感じました。小説「氷点」の題名を考え出したのも光世さん。また晩年、体調がすぐれない綾子さんのために口述筆記もされていました。今回の小説「母」も、光世さんが小林多喜二のお母さんをテーマに小説を書いて欲しいと頼んだことが執筆のきっかけだったそうです。愛に支えられた環境で生み出された三浦綾子さんの文学。今回の「母」のように切なすぎる小説の中でさえ「光」を感じることができるのは、三浦ご夫妻の愛によるものなのではないでしょうか?

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