2018年7月1日

夏目漱石
『硝子戸の中』
(新潮文庫)

東西線の早稲田駅から歩いて10分ほどのところにある「漱石山房記念館」。近くには漱石の生家跡の記念碑や「夏目坂」と呼ばれる坂もあり、漱石の父親が名付けたと言われています。今回取り上げた漱石の随筆集「硝子戸の中(うち)」にもこの界隈のことが記されています。「漱石山房」には書斎を囲むように手すりのついたベランダ式の回廊があって、その一部に硝子戸が入っていました。書くことに疲れると漱石は、回廊に置いてある籐椅子に座って休んでいたそうです。硝子越しに芭蕉の緑などを眺めながら様々なことを考えていたのでしょう。記念館では書斎や回廊、そして芭蕉などの植物も当時のままに再現されています。

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