2023年3月5日

ラウラ・今井・メッシーナ
『天国への電話』
(早川書房)

主人公の「ゆい」は、ラジオ・パーソナリティ。彼女は自分の番組にかかってきたリスナーの電話から「風の電話」の存在を知ります。そのリスナーは震災の津波で妻を失い、その電話で妻に語りかけるようになりました。番組終了後、リスナーが言っていたことを何度も何度も繰り返し思い出している「ゆい」。実は彼女も津波で母と娘を亡くしていたのです。導かれるように「風の電話」を訪ね、それをきっかけに多くの人と出会う「ゆい」。そのつながりを通して自らと向き合ってゆきます。小説「天国への電話」の帯には小川洋子さんの言葉も掲載されています。「人は生きながら生まれ変わることができる。死者の声に導かれて」・・・・。

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