大学時代、この本を手に同級生の男子達が何人旅立っていったことか!旅心に火をつける、何がそこに書かれているんだろう・・・そんな疑問から、当時この本を手にとったことを思い出します。もちろん読後は、自分が女性であることが悔しくてたまりませんでしたが、たとえ男性であったとしても、沢木さんのようにその土地を深く味わえたかというと自信がありません。子供の縄跳びに加わる無邪気さ、くだらない誘惑には負けない強さ、目的のない時間を過ごせる度胸。こういった旅する才能に、26歳という年齢が加わって、沢木さんは人を旅に駆り立てる『深夜特急』という名作を生み出したのではないでしょうか。嗚呼、旅に出たくなってきました!!
(アシスタント:藤丸由華) |