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『城の崎にて』の主人公は毎日ほぼ“散歩する”(か、宿にいる)だけ。散歩中脳内に浮かんだ思いを綴っているだけなのに、教科書の常連となる名作になっているのが面白いですよね。ウォーキングではなく、目的地があるのでもない、ただただ歩く散歩。考えてみると名作といわれる作品には、よく散歩のシーンがでてきます。作者である文豪たちにとっても散歩は文芸活動になくてはならない時間で、歩きながら思索に耽っていたのではないでしょうか。「時間が惜しくなって、つい途中で買い物とかしちゃうんですよね」と純粋な散歩の難しさについて小川さんと笑いあいましたが、いつかレベルの高い散歩にチャレンジしてみたいものです。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2014年3月30日
P.L.トラヴァース
『風にのってきた
メアリー・ポピンズ』

2014年3月23日
梶井基次郎
『桜の樹の下には』

2014年3月16日
萩原朔太郎
『郷愁の詩人
与謝蕪村』

2014年3月9日
やなせたかし
『やさしいライオン』

アーカイブ
ああ我らの人生とはなんぞ BWV743/ミクローシュ・ペレーニ(チェロ)
タイトルは「ああ我らの命とはなんぞ」と訳される時もあります。「城の崎にて」のテーマとあっているのでは?J.S.バッハの曲をコダーイが編曲。
よく虫が死んでいる/森山直太朗
「城の崎にて」では、ある朝、一匹の蜂が死んでいるのをみつける場面がでてきます。
運命のひとひねり/ボブ・ディラン
イモリを殺してしまい、命あることの偶然を思う主人公。生きたり死んだり、出会ったり別れたりも運命のひとひねり(偶然)という曲。ディランのしわがれ声とぶっきらぼうな歌は、志賀直哉先生の朗読にも通じるような気がしました。
 
今まで紹介した作品
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