堀江貴文
こんにちは、今日は私、堀江貴文が「ここ1年で観た映画ベスト3」というお話をさせていただきます。

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『君の名は。』

製作:2016年(日本) 監督:新海誠
出演:神木隆之介/上白石萌音/ほか


新海誠監督は僕と同じ学年なんですが、彼はもともと日本ファルコムという会社でゲームを紹介するアニメーションを作っていたんです。そして2002年に彼が監督・脚本・原案・美術など、ほぼ全部をひとりで手掛けた短編『ほしのこえ』がネットにアップされて、僕は大衝撃を受けたのをよく覚えています。
ただその後、ほとんどをひとりで作る彼のスタイルは、ブラッシュアップしていっても今ひとつ殻を破れない部分を感じました。そこに天才プロデューサー・川村元気の視点が入ることによって一気に花開いたのが、この『君の名は。』です。めちゃくちゃカットしたおかげでテンポが良くなったのは、様々なメディアが時間の奪い合いをしている現代にピッタリだと思います。
−映画批評家の前田有一さんによる解説−
堀江さんも仰った通り、新海誠監督は最初はほとんどひとりで映画を作っていました。そのスタイルで作った最後の作品が2004年の『雲のむこう、約束の場所』で、その後、彼はイギリスへ勉強に行き、3年後に普通の集団制作体制で『秒速5センチメートル』という映画を作っています。
ただ、それでも新海監督はレンダリング(様々な部署で制作したパーツを合成して最終的に映像を完成させる作業)のボタンは必ず自分で押しているんだそうです。パーツを全部チェックして、場合によっては修正や描き加えを監督自身がやるからこそ、集団体制になっても監督の個性が色濃く出続けているのでしょう。しかも集団体制になることで品質は大幅にアップしています。それがこの映画の大ヒットに繋がったんだと思います。


『ハドソン川の奇跡』

製作:2016年(アメリカ) 監督:クリント・イーストウッド
出演:トム・ハンクス/アーロン・エッカート/ほか


この映画は飛行機パニックものの中でも実話を基にした作品です。ある旅客機がバードストライクによって両翼のエンジンが停止。機長は空港に緊急着陸できないか模索するものの、不可能であると判断し、最終的にはハドソン川への着水を試みます。そして無事に成功させるのですが、後に機長は運輸安全委員会から「空港へ着陸できた」と咎められる……というお話です。
僕はこの映画を観てAIとの関係を考えさせられました。実は空の世界は自動車よりも自動操縦がとても簡単で、すでに離着陸以外はほとんど自動操縦になっています。おそらく10年くらいで貨物便は離着陸も自動操縦になるでしょう。この映画の機長の判断も、もしAIだったらどうしたんだろうと考えながら観ると、ちょっと違った見方ができると思います。

※8/14(月)・17(木)・24(木)ほか、スターチャンネルで『ハドソン川の奇跡』放送!


−映画批評家の前田有一さんによる解説−
この映画は2009年に起きたUSエアウェイズの不時着水事故を描いています。堀江さんが「映画も上映時間を短くするのがトレンド」と仰っていましたが、実はこの映画はクリント・イーストウッドの監督作品35本の中で一番上映時間が短くて、96分しかありません。IMAX専用のカメラで撮っているので高画質ですし、単なるお涙ちょうだいの話ではなく知られざる逸話もたくさん出ていて見ごたえたっぷり。本当に凝縮された作品です。
しかし、映画評論家がこの映画を語るなら「クリント・イーストウッドが」「トム・ハンクスが」という話になると思うのですが、「もし人工知能だったら」という視点はとてもユニークです。映画評論家じゃない人が映画を語るおもしろさですね。


『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』

製作:2016年(アメリカ) 監督:ジョン・リー・ハンコック
出演:マイケル・キートン/ニック・オファーマン/ほか


この映画は経営者が絶対に観るべき映画です。マクドナルドのファウンダー(創業者)だったレイ・クロックという人物を描いています。
もともとマクドナルドはカリフォルニア州のマクドナルド兄弟が1940年代に作ったハンバーガー屋でした。当時のアメリカはモータリゼーションが進む中、ドライブスルーが大人気だったのですが、派手な格好の女の子がローラースケートをはいてハンバーガーを持ってくるようなスタイルは、いろいろトラブルも起きていました。そこで工場のようなライン化を取り入れ、大成功を収めたのがマクドナルドです。
レイ・クロックは訪問販売の営業マンをしていたのですが、マクドナルドに出会って衝撃を受けます。そしてマクドナルドを大規模なフランチャイズ展開に導こうと試行錯誤する……というのがこの作品。どうやって世界最大のフランチャイザーが生まれたのか、そのエッセンスがこの映画に詰まっています。
−映画批評家の前田有一さんによる解説−
タイトル通り、この映画はマクドナルドの創業者の物語。でもそこにはちょっと皮肉が込められていて「本当の創業者って誰?」という意味もあります。堀江さんはマクドナルドが起こしたイノベーションに着目していますが、映画の中でも古いモノがどんどん新しくなって、破竹の勢いで広がっていく様子が痛快に描かれます。
ただ、実はそのイノベーションを考えたマクドナルド兄弟と、フランチャイズ展開を成功させたレイ・クロックが大喧嘩をするところもこの映画の見どころだったりします。良心的な職人と優秀なビジネスマンが出会って、最初は協力しあって繁栄を謳歌するものの、やがて衝突して決裂する悲劇。資本主義の問題点を浮き彫りにしたこの映画は、昔のことを描いていてもとても今らしい作品です。


前田有一
■ 前田有一(まえだ・ゆういち)
1972年東京都浅草生まれ、葛飾亀有育ち。映画批評家。日本最大級の批評サイト『前田有一の超映画批評』をはじめ、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などマスメディアで独自の「批評エンタテイメント」を展開。国際映画祭実行委員、トークライブ、こども映画会等のイベント出演など、映画ファンを広げる活動も。
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−その他、皆さんから寄せられた映画ベスト3−

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